ルシャトリエの原理について思ったこと

 私は、どちらかといえば理系の人間で理系の大学に通っていますが、時々数学や物理の式、科学の原理に人間味を感じることがあります。これは、高校の頃に化学の先生に教えてもらったことある原理が始まりでした。

 高校の化学の時間、化学平衡の分野でルシャトリエの原理を習いました。この原理は、化学反応の中で平衡反応になるものに適応される原理で、反応になんらかの変化を与えた時に、変化が和らげられる方向に平衡が移動するという原理です。例えば、窒素と水素からアンモニが生成するような次の反応(1)があるとします。

N2+3H2=2NH3+QkJ………(1)

この反応は発熱反応と呼ばれる反応の一つで反応が右側(アンモニアが生成する方向)に進むと、熱が発生します。中学校でも習ったと思います。生石灰(酸化カルシウム)に水をかけるとあったかくなるのはその発熱反応の有名な例の一つです。冬に使うカイロもわかりやすいかもしれません。

 この(1)の反応に変化を加えてみましょう。例えば、温度を下げてみるとか。するとこの反応は右側(アンモニアが生成する方向)に反応が進みます。温度を下がったという変化に対して、反応を進めることによる発熱でそれを和らげようとしているからです。発熱反応の逆反応(左側に進む反応)は発熱反応の逆の吸熱反応になります。つまり反応機の温度を上げるとアンモニアの生成量はすくなるということです。

 変化には温度変化以外にも色々あります。例えば、圧力の変化です。これもさっきの温度変化のように変化が和らぐように反応が進みます。つまり、圧力を小さくすると、圧力が大きくなる方に反応が進み大きくすると小さいくなる方に進ということです。ここで反応式(1)から左辺と右辺どちらが圧力が大きくなる方向なのか考えてみましょう。この式は、窒素分子1個と水素分子3個(左辺)からアンモニア分子2個(右辺)が生成されるのを表しています。つまり反応前の方が全体の分子の数が多いということです。分子の数が多い方が圧力が大きくなるのはなんとなく想像できると思います(気体の状態方程式からも)。圧力が大きくなるのは左側に反応が進む時です。

 

本題

 私は先生に『このルシャトリエの原理は人間の行動と同じですね』と言われました。ここからは化学とは何にも関係ない話になりますが、冬に暖かい家から寒い外に出ると、防寒具を着ると思います。逆にそのあと外でジョギングでもしたら、暑くなってぬぎます。これは変化を和らげるという点ではルシャトリエの原理に似ているような気がします。厳密に結構違うけど……。こんな感じにルシャトリエの原理は安定を目指す人の思考に似ているような気がします。自分の安定した生活に何か大きな変化が起こったとき、それを和らげる方向に進み出す心理というかなんというかという感です。なんかうまい例えがないのでまた考えておきます。

 

byオホーツク海